Sweet Lover
「今でもお好きなんですよね?」

気持ちを隠す気がさらさらない春花さんに、つい、そう切り出してしまう。

あら、と小さく呟くと春花さんは仕事中に見せる鋭い眼差しで私を射抜いた。

「そうよって言ったら、譲ってくれるの?」

ズキン、と。
心臓が射られたかのような鋭い痛みが走る。

……あれ?

なんだろ、この痛み。

「譲るも何も。
 響哉さんは、別に私のモノってわけじゃないですし」
< 158 / 746 >

この作品をシェア

pagetop