Sweet Lover
そうして、その日の夕方。
気づけば私は、綺麗なワンピースを着て上着を羽織り、とあるレストランで食事をしていた。

もちろん、向かいの席には須藤 響哉。

泣いてしまって、興奮状態だったところを言葉巧みに宥められ、くらっときたに違いなかった。

……ああ、なんて単純な私。

ついでに服は、制服だと目立つからっていう理由で、須藤さんが買ってくれた。

『こんな高いものいただけませんっ』
と、一度は本気で断ったんだけど、
『じゃあ、俺が脱がせて着替えさせてあげようか?』
なんて、自信たっぷりに言った挙句本気で迫ってこようとするので、身の危険を感じた私は、やむを得ずその親切を受けることにした……というわけ。
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