Sweet Lover
訝しげに眉を潜める私を見て、須藤さんはスーツのポケットから携帯電話を取り出した。

「これ、機種変するたびにずっと持ち歩いてるんだよね」

ほら、見てみて?と。
自慢するかのように、彼のシルバーの携帯電話を手渡される。

その画面には。

……今よりずーっと若い須藤さんの唇に、確かにちゅってしている小さな女の子(推定年齢3歳?)がそこに居た。

「こ、これってっ」

「これがマーサちゃんのファーストキスの証拠写真。
 どう?
 少しは大好きな『キョー兄ちゃん』のこと思い出してくれた?」
< 19 / 746 >

この作品をシェア

pagetop