Sweet Lover
そういえば、この子、箸使えるのかしら。
それとも、ナイフとフォーク……?
どうしようかと思っていたら、響哉さんはイラついた口調で電話での会話を続けながらも、箸を取り出し、サシミの上に適量の醤油までかけてくれた。
「Thank you, Dad!」
ペギーは、弾けんばかりの笑顔でそういうと、器用に箸を使って、海鮮丼を食べ始めた。
さすがに、生魚を口にするのは初めてなのか、その食感に子供らしくあからさまに顔を顰めてみせる。
『キョーヤもこれ、食べるの?』
こっそりと耳打ちで私に聞いてくるところが、微笑ましいと同時に、彼女の胸のうちが分かるようで、何故だか心臓がキュンとなってしまう。
私が頷くのを確認してから、もう一度、海鮮丼を口にする。
そっか。
母親の傍を離れて、見知らぬ日本の中をタクシーを使ってわざわざここに来てしまうくらいに。
ペギーも、響哉さんのことが、好き、なんだ……。
それとも、ナイフとフォーク……?
どうしようかと思っていたら、響哉さんはイラついた口調で電話での会話を続けながらも、箸を取り出し、サシミの上に適量の醤油までかけてくれた。
「Thank you, Dad!」
ペギーは、弾けんばかりの笑顔でそういうと、器用に箸を使って、海鮮丼を食べ始めた。
さすがに、生魚を口にするのは初めてなのか、その食感に子供らしくあからさまに顔を顰めてみせる。
『キョーヤもこれ、食べるの?』
こっそりと耳打ちで私に聞いてくるところが、微笑ましいと同時に、彼女の胸のうちが分かるようで、何故だか心臓がキュンとなってしまう。
私が頷くのを確認してから、もう一度、海鮮丼を口にする。
そっか。
母親の傍を離れて、見知らぬ日本の中をタクシーを使ってわざわざここに来てしまうくらいに。
ペギーも、響哉さんのことが、好き、なんだ……。