Sweet Lover
「ああ、駄目駄目。
 横になったら血を飲むぞ」

言うと、頭の後ろを濡らしたタオルで冷やしてくれる。

「斜め上、向いといて」

思わぬ至近距離に、ドキリとした。

だって改めて見たら響哉さんに似てるんだもん。その、肩のラインとか。

「あの、自分でできますっ」

「いいから。
 大人しくしとけって。
 病院送りなんかにさせたら、俺が響哉に怒られる」

「……響哉さんって、須藤グループと何か関係あるんです、よね?」

私の質問に、先生はふぅと息を吐く。

「そういうことぼーっと考えてるから、ボールの一つも避けられないんだよ」

「だって。
 秘密にするから気になるんじゃないですかっ」

私は思わず声を荒げる。
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