Sweet Lover
……明日、か。

忘れていたとまでは言わないが、あまり思い入れもなかった。

ファンのためのイベントなんて、俺にとってあまり魅力を感じるもんじゃない。

結局のところ――。
どんな仕事を選んでも、気に入らない部分というのは出てくるものだ。

なんて、今更気づいたとはさすがに、かっこ悪くて口に出せない。

「ああ、分かってる」

俺は自信たっぷりの口調でそう返した。

「だったら良いんですけど。
 今夜はどちらに帰るんですか?」
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