Sweet Lover
先生、ありがとうって言おうかしら、と思った矢先。

「そうそう、須藤。
 どうやって仲直りするつもりか知らないけど、今日はあんまり彼女を興奮させたり、出血させたりしないほうがいいぜ」

……なんて、意味深なことを冷たい口調でさらりといいだすものだから。

かぁっと頬が紅くなり、私はすっかりお礼を言うタイミングを逸してしまった。

ひらひらと手を振っている先生を無視して、駐車場に向かう。

響哉さんは私の肩にまわした手を、助手席に私を乗せるまでずっと離そうとはしなかった。

「今夜は、宅配ピザでもいい? 明日朝早くって」

「……うん。
 でも、たまには料理、私が作ってもいいのに……」
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