Sweet Lover
あまりにも思いつめたような口ぶりに、心臓が痛くなる。

「でも、大丈夫。
 俺はマーサの気持ちを最優先するよ。
 無理矢理モノにしたりしないから、心配しないで」

私の緊張が伝わったのか、響哉さんは殊更優しく甘い声でそういうと、ゆっくり私から身体を離した。

「ほら、お部屋に戻ろう」

響哉さんは私を連れて、マンションの一室へと戻る。
着替えた私をソファの上で、まるで飼い犬のようにべたべたと抱き寄せ、背中や頭をなでまわして、甘やかせてくれた。

「どうしたら、マーサは俺を許してくれる?」

すっかり大人しくなった私に、響哉さんが優しい声で問いかけてきた。
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