Sweet Lover
私は思わず笑ってしまう。

「響哉さん、ずっと謝ってばっかり」

「……変?」

「響哉さんはなんかこう、堂々としていたほうが似合うのに」

響哉さんは私の髪を撫でると薄っすらと笑った。

「俺の薄っぺらいプライドなんて、マーサのためにならいつでも喜んで捨てるさ」

響哉さんは私の髪の毛に指を通してそのまま頭を掴むと、そっと額にキスをした。

「本当だよ。
 マーサのためになら、なんだってする。
 多分、マーサが思ってるよりずっと、俺はマーサに夢中だから――」

言うと、響哉さんは恥ずかしげもなく、私の髪にキスをした。
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