Sweet Lover
「特割ってことは――。
 ママは響哉さんの家のことに気づいたの?」

「どうかな?
 顔が利く、くらいに思ったんじゃない?
 ほら、卒業生だし」

「……呑気な人たちね」

「かなりね」

響哉さんは、今そこに居る友人のことを語るように、パパとママの話をし、くすりと笑う。

パパとママのことを、今でも近くに居る友達のように語る、その距離感が、たまらなく好きだった。

「俺が二人を放っておけない気持ちも、少しは分かってくれる?」

「……うん」

そりゃ、そんな二人が子育てしてたら、親友としては放っておけないかも――。
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