Sweet Lover
「いらっしゃい」

保健室では、佐伯先生が珈琲片手にワイドショーを見ているところだった。

――響哉さんだ――。

私の心拍数は一気に跳ね上がる。

テレビ越しに響哉さんを見ると、一緒に暮らしていることが信じられなくなる。
実在するのが信じられないくらい、完璧にかっこいいんだもの。

その容姿だけでなく、仕草や喋り方に至るまで、全て。

「本当、嫌味なぐらいにテレビ映えするんですね、この人」

梨音がテレビを一瞥してそう言い捨てる。

「確かにな」

相槌を打つと、先生は飲みかけの珈琲を置くと、私と梨音にも珈琲を淹れてくれた。
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