Sweet Lover
「まさか。
 この女子アナが須藤響哉のファンってのも、彼の演出ってわけじゃないでしょう?」
 
梨音が箸を置いて、先生を睨む。

先生は涼しい顔で笑って見せた。

「いくらなんでもそれはないだろう。
 ただ、磯部さんも知ってるだろう?
 アイツの腹黒さは天下一品。普通のヤツじゃ勝ち目は無いね」

「……なんかそう言われると、私、響哉さんに引っ掛けられてるみたいに聞こえるんですけど……」

サンドイッチを食べて、私がぼそっと呟くと、先生がその視線を緩やかにこちらに向けた。

そうして、口角を僅かに上げる。

「俺の知る限り、アイツを落としたのは、真朝ちゃんだけだよ」
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