Sweet Lover
「それで――、真朝ちゃんはクラス中に聞き込みをしたのかな?」

佐伯先生はなんでもない顔で核心を突いてくる。

「まだ半分も聞けてません」

私の言葉に目を丸くしたのは、梨音だった。

「そんなアンケートやってたの?」

「だって、気になるんだもん」

唇を尖らせる私に、先生が聞いてくる。

「でも、他にもいただろう?具体的に将来を決めてない人」

「漠然としている人もいるけど、でも何も考えてなかったのは私くらいで……」

普通、親が何か働きかけたりしてるんだよね――。


私はうっかりこぼれそうになるため息を呑み込んだ。

「そうやって思い煩ってるから顔色が悪いんじゃない?」

梨音が心配そうに言う。
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