Sweet Lover
「真朝ちゃん。
 そんなに気に病む事ないって。
 ちっとも手遅れじゃないし、自分のことが客観的に見れないっていうなら、こういうときこそ親友に相談すればいい」

ねぇ、磯部さん、と。
先生が言う。

「真朝ちゃんは何が得意だと思う?
 あ、生物が怖ろしく苦手なのは俺も知ってる」

「……知ってるんですね」

くすりと笑い合うのはやめて欲しいわー。

どうせ、あれでしょう?
劣性遺伝を知らなかったっていう話でしょ?

むくれたままの私に、梨音は大きな瞳を向けてふうわりと笑った。

「英語がとっても得意です」
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