Sweet Lover
「何度も言うが、20歳も年下の女性に興味を持つというお前の感覚が理解できないね」

「お褒め頂き恐縮です」

響哉さんは立ち上がると、まるで舞台に上がった俳優のように丁寧に一礼した。

「……褒めてねぇよ」

絶句の挙句、ようやく言葉をひねり出した佐伯先生を気にも留めず、私の手を引っ張って立ち上がる。

「待たせてしまって悪かったね。
 叩き起こしてくれても良かったのに」

「ほらね」

間髪入れずに得意げに言う先生に、響哉さんは冷たい視線を向ける。

「……てめーが叩き起こしにきたら、きっちり返り討ちにしてやるよ」
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