Sweet Lover
「真朝ちゃん。
 そんな横暴な男と一緒に暮らして、大丈夫?」

先生の言葉は、私に向けられているようでその実、響哉さんに向けられている。

「俺は喧嘩を売る相手は選ぶんだよ、バーカっ」

響哉さんは相変わらず口が悪い。

それは、仲の良い小さな友達同士を思わせる微笑ましいものではあるけれど。

佐伯先生も、それに合わせるかのように冷たい瞳に変える。

「じゃあ、来週からはスドキョー自らがお姫様を連れて、学校に来るってわけね」

頑張ってー、と、ひらひらとその手を振って見せてくれた。

響哉さんが、宝石を思わせる美しい瞳で私を見下ろした。
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