Sweet Lover
「おや、そうだった?」

響哉さんはくすくす笑いながら、私の背中に手をまわしたままリビングを出る。

「だったらどうして、いつまでもリビングに居るのかな?」

……そ、れは。

言い訳の言葉も見つからず、唇を噛む私の顎を持ち上げると、触れるだけのキスを落とす。

キスの後、瞳を開ければ、さっきまでは子供に『早く寝なさい』と諭す父親を思わせる雰囲気から打って変わって、艶っぽい笑みを浮かべていた。

ドキリとする私の耳元に、形の良い唇を寄せる。


「それとも、最後まで出来なくて欲求不満?」
< 501 / 746 >

この作品をシェア

pagetop