Sweet Lover
【花宮 真朝side】

目隠しを外される。
天井が、今住んでいるマンションにすごく似ていると思った。

そして――。

目の前に居る、色の浅黒い男は、思ったとおり、昨日マンションの管理人室で見た管理人だった。

制服を着ているし――間違いない。

彼の、尖った視線が私に無遠慮に突き刺さる。

南米の人かしら――?


そう思った矢先、ぐわんとした頭痛が走った。
過去を思い出す兆し――?

でも、佐伯先生は頭痛が無くても過去は思い出せるって言ってたし。


そう、自分に言い聞かせてゆっくりと深呼吸を繰り返す。
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