Sweet Lover
「……先生、キャラが響哉さんとかぶってません?」

でも、先生は真顔で首を横に振る。

「あ、俺には無理。あんなキャラ、真似ようと思っても、できるわけないだろ?
 ほら、自分で飲めるなら、どうぞ」

私は顔を遠ざけようとした先生に、抱きついて耳の傍で聞く。

「――本当は、響哉さんも誰かに捕まっていて大変な目にあっていたり――しないですよね?」

さっきからずっと、それだけが心配だった。

だって、私が捕まって、響哉さんが無事だって保証なんてどこにもないもの――。


先生は、目を見開いて、それから呆れたように肩を竦めた。

「アイツは腹が立つほど元気だよ。俺が本気で殺そうとしても、多分死なないよ。
 保証するから、ほら――。
 これを飲んで、少しお休み」
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