Sweet Lover
【花宮 真朝side】

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あの暑い夏の日。
昼寝から目覚めたとき、キョー兄ちゃんはまだ隣で眠っていた。

私は手を伸ばしてそっとキョー兄ちゃんの頬に触れようとした、途端。

彼は慌てたように私の手を掴む。

『キョー兄ちゃん、起こしちゃった――?』

『ああ……。
 マーサちゃんだったね。
 寝付けない?』

彼は、手を伸ばしたのが私だと確認すると、いつもと同じ甘い笑顔でそう聞いてくる。

『ううん。
 一度寝てから、起きたんだもん』

必死で言う私がおかしいのか、キョー兄ちゃんが、私の背中に手を回してくすりと笑った。
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