Sweet Lover
『マーサのこと、好きってこと?』
言っている意味が分からないので、私は都合よく話をまとめる。
『そうだよ』
幼い私はキョー兄ちゃんに躊躇いも無くキスをして、再び眠りに落ちた。
+++++
今、普段の響哉さんを見ていても、左利きだなんてことはまるで分からない。
でも――。
だから、今でも私を右側に置くために、外車に乗っているのかしら。
さすがに、それは考えすぎ?。
その理論で行くと、佐伯先生は右利き――なんて、関係ないか。
「目が醒めた?」
ぼんやりしていたら、右側から、声がした。
「はい」
「丁度良かった。
もうすぐ、須藤邸に到着だ。
体調は?」
心配そうな声が響く。
私はかぶりを振った。
「大丈夫です」
「そう」
先生はひどく困った顔で私を見て、直後に、何かを諦めたように微笑を浮かべた。
言っている意味が分からないので、私は都合よく話をまとめる。
『そうだよ』
幼い私はキョー兄ちゃんに躊躇いも無くキスをして、再び眠りに落ちた。
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今、普段の響哉さんを見ていても、左利きだなんてことはまるで分からない。
でも――。
だから、今でも私を右側に置くために、外車に乗っているのかしら。
さすがに、それは考えすぎ?。
その理論で行くと、佐伯先生は右利き――なんて、関係ないか。
「目が醒めた?」
ぼんやりしていたら、右側から、声がした。
「はい」
「丁度良かった。
もうすぐ、須藤邸に到着だ。
体調は?」
心配そうな声が響く。
私はかぶりを振った。
「大丈夫です」
「そう」
先生はひどく困った顔で私を見て、直後に、何かを諦めたように微笑を浮かべた。