Sweet Lover
「でも、結果として、真朝が兄貴の写真を見たいと言い出してくれたこと、本当に良かったと思っている。
 ――だから。
 目的も達成したことだし、家に帰ってこないか?」

お父さんが足を止めて真っ直ぐに私を見てそう言った。

え、と。
私は目を見開く。

「うちは四人家族だからな。
 真朝が居ないと、どうにもこうにも淋しくていけない」

「――お父さんっ」

響哉さんのお陰で、涙腺が緩くなったのか。
さっき泣いたせいか。

あんなに、両親の前で涙を見せないと決めていた私の頬を、簡単に涙が伝って行った。

「――うちは、四人家族なんだ」

お父さんは、もう一度、大事なものを噛み締めるようにそう言った。
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