Sweet Lover
「ただいま」

客間に戻ると、三人が談笑しているところだった。

「私たちも美味しい紅茶が飲みたいの」

「いいよ、ヘンリーに淹れさせようね」

響哉さんは手配してから、口を開く。

「今、話してたんですけど。
 今から、真一と朝香ちゃんのお墓に皆で参りませんか?」

そう、お父さんに向かって切り出した。

「良いですね」

「私、お花持って行きたい」

響哉さんは、紅茶とケーキを持ってきてくれたヘンリーに、花壇の花を使って花束を作らせるよう頼んでくれた。
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