Sweet Lover
「ご、めんなさい……」

沈黙と、周りからの好奇の視線に耐え切れず、私は思わず謝ってしまった。

響哉さんはようやく、ふわりとした笑みをみせた。

「わかれば結構」

私はようやく響哉さんの腕の中から解放された。

ほぉ、という誰かが吐いたため息が空気の中に溶けていくのを感じる。

私はドキドキが止まらなくて困る。でも、響哉さんはちっとも困ってない感じで、私の手を握る。

……いったい、何者なの?この人って。

「で、小島さんはどちらに?」

小島さんって、さっきのやや垂れ目の店員さんのこと、だよね?

「アロマライトがおススメだけどここにはないから、取り寄せられるものを調べてくるって」

「ふぅん」

ふ、不機嫌が声から滲み出てますけど!
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