Sweet Lover
気づけば響哉さんが、ものすごく近くにいる。

どきんとしている私をいとも簡単にその腕の中に抱き寄せた。

うわ。
腕枕だっ。

「俺が守ってあげるから。
安心してお休み」

「キス、しない?」

「まだ怖いの?」

こくりと頷くのを見届けてから、響哉さんはくすりと笑うと私の頬に触れる。

大きな手のひらがどきりとするほどあったかい。

「これは、平気?」

こくりと頷くと、響哉さんはその手のひらで私の唇を覆った。

そうして、顔を近づけ、自分の手の甲に唇をつける。

うわ。
睫長いっ。
鼻のラインがシャープ。

瞳を閉じて自分の手越しにキスをする響哉さんを、どぎまぎしながら見つめている、私が居た。
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