犯人はだぁれ?
「あの日、あの日は…」
「うん、ゆっくりでいいから」
「あ、ぁ…私、あぁぁぁぁぁアァァァ」
「み、南ちゃん⁉︎」
南の突然の変わりように美香は驚いた。
「あ、アァ、ワタシ…指南、タスケテ
違うチガウ……イヤッ」
「南ちゃん…落ち着いて、今度でいいから…」
「美香さん、ちょっと言い過ぎちゃったね?」
突然、声がした。
声の主は刃物を持った指南だ。
「……え? 誰なの⁉︎」
「あーあ、南が可哀想じゃないですか」
「まって、そんな…」
指南は無表情で刃物を美香に向ける。
「これ以上、南を傷つけないでくれませんかー?」
「あ、何なの……貴方は一体⁈」
美香は指南を見て絶句した。
指南は美香を殺すつもりだ。
南にとって美香は『邪魔者』でしかないからだ
「とりあえず、刃物を置いて、落ち着いて話しましょ?」
「ミナミ、キズツケタ……ユルサナイ」
「待って、何を言っているの? 貴方は誰なの?」
「ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ」
グサッ
あの時美香は何故、絶句したのか?
それは刃物を向けられたからではない。
そう、美香は気付いてしまった。
南と指南が『特別な関係』ということに…。