夏に咲く桜 海に広がる静空
別に何が悪いわけでもない。



だけど、「仕方がない」という言葉で片付けられてしまうことを幾度も経験してきた私にとって、今回もそうなってしまいそうなことが悔しかった。



その悔しさから唇が震え、白杖が酷く邪魔のように感じて、私は地面に思い切り叩きつけた。



涙が出そうだった。


「もうちょっと先に進もうぜ」


いきなり手に持っている白杖を思い切り叩きつけるような女の子にも関わらず、彼はそう言うと私の手を引っ張った。
< 2 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop