LOVE SICK
幸せ過ぎた今迄より、よっぽどしっくりくるから不思議だ。


しっくり来た。

最初に思った筈だ。

あの人に、特定の人が居ないわけがない。
きっと家族がいる人だろうって……

それなのに……

最初からおかしいって思っていた筈だ。

それなのに、私はまた、見ないふりをしていたんだ……


そして、幸せすぎた……

そう。私は、幸せだったんだ。
あの人と一緒にいた時間、私は幸せだったんだ。



「……好きに、なってたんだ……」



当たり前だ。

あんな風に、大切にされた事なんて無かったんだから。
祐さんの優しさが本気だなんて、心の底から思っていた訳じゃないつもりだったのに……



斎木さんと別れた時、流れなかった涙が、頬を伝っていた。
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