LOVE SICK
チャイムを模した軽快な短いメロディーが何度も何度も繰り返される。
聞き馴染みがあるその電子音にすぐに気がつき目が覚めた。
俺は主より先にその音を止めなければいけない。
隣に気を使いながら上半身を起こして彼女の向こう側にあるサイドボードで声高に主張しているそれに手を伸ばす。
もう慣れてしまった手つきでそれを操作すればあっさりと音は止み、静寂を取り戻した。
スヌーズ機能が付いているから……
初めは困ったっけ、と。
そんな事を思い出し一人微笑を落とした。
手の中に収められた無防備な携帯電話の持ち主は、何一つ気がつく事なく隣であどけない寝息を立てている。
聞こえてくるのは壁掛け時計が秒針を刻む音。
外から聞こえてくる鳥のさえずり。
規則正しい彼女の呼吸。
静かになった室内は時間が流れる事を惜しんでいるかの様で、とてもゆっくりと感じられる。
けれどカーテンの隙間から零れる光は世界と同じくこの部屋にも降り注ぐ。
一日を早く始めろと言わんばかりにまだ眠る彼女の頬に一筋の光を落としている。
その光をなぞる様に彼女の頬に指を滑らしそっと、口付けを落とした。
聞き馴染みがあるその電子音にすぐに気がつき目が覚めた。
俺は主より先にその音を止めなければいけない。
隣に気を使いながら上半身を起こして彼女の向こう側にあるサイドボードで声高に主張しているそれに手を伸ばす。
もう慣れてしまった手つきでそれを操作すればあっさりと音は止み、静寂を取り戻した。
スヌーズ機能が付いているから……
初めは困ったっけ、と。
そんな事を思い出し一人微笑を落とした。
手の中に収められた無防備な携帯電話の持ち主は、何一つ気がつく事なく隣であどけない寝息を立てている。
聞こえてくるのは壁掛け時計が秒針を刻む音。
外から聞こえてくる鳥のさえずり。
規則正しい彼女の呼吸。
静かになった室内は時間が流れる事を惜しんでいるかの様で、とてもゆっくりと感じられる。
けれどカーテンの隙間から零れる光は世界と同じくこの部屋にも降り注ぐ。
一日を早く始めろと言わんばかりにまだ眠る彼女の頬に一筋の光を落としている。
その光をなぞる様に彼女の頬に指を滑らしそっと、口付けを落とした。