LOVE SICK
「……るう。そろそろ起きなさい」


二人で寝ている時は掛け布団を独り占めにしようとはしないるうは、一人になったベッドで掛け布団を抱き締める様にして寝息を立てている。
本当は起きているんじゃないだろうかと思った事もあるけれど……

どちらにしたってそれは二人にとって大きな問題じゃない。


「ん……祐……さ……」

「おはよう。るう」


頬にかかった髪を掬って彼女の柔らかな頬に触れれば、まだ重たい瞼を僅かにあげようと努力する彼女。


「……コ……ヒーの、匂いがする……」


人間の本能なんだろう。
るうが食べ物の匂いがしていると割とすぐ起きる事に気が付いたのは、彼女が泊まるようになってから結構すぐ。


「朝食の準備、もうすぐ出来るから顔洗っておいで」

「……は、い……」


モソリと名残惜しそうに上体を起こした彼女を認めると先に俺は部屋を出た。
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