LOVE SICK
俺は川井さんの事も好きだけど、それ以上に斎木さんに憧れていた。
だから彼女の斎木さんに対する感情に嫉妬を感じることは無く、むしろ共感できた。
俺が女だったら俺だって斎木さんに惚れると思う。
寧ろ斎木さんの片腕になりたいという意味で、俺のライバルは川井さんの方だった。
「田嶋、うちは全国展開とは言っても所詮は中堅企業だ。決して大手じゃない。ここで上り詰められないならどこに行っても通用しないと思わないか? 折角やるならそこまでしたいよな」
斎木さんは飲みに行くと熱っぽい瞳で俺や川井さんによくそう言っていた。
斎木さんが仕事が他の人よりできるのは当然だ。
目先の数字や利益を追っているのではない。確実に人よりも上を見て仕事をしていたからだ。目の前の業務に振り回されず高い視野から本質を見ていたあの人に他の社員が敵うわけも無かった。
「俺が上まで行けたらさ、絶対仕事なんてつまらないなんて言えなくなる様な会社にしてやるよ」
そんな斎木さんに、俺は付いていきたいと思うようになっていた。
ただもちろん、人間には長所もあれば短所もある。
斎木さんだって同じだ。
斎木さんの長所はこの野心的で飽くなき向上心。
自分勝手なのに意外と面倒見がいいところ。
そんな斎木さんは当然の様にモテる男だったが、短所は色々あるが……やっぱり一番は女性に誠実では無い所だと思う。
俺は川井さんとは違って男だから、斎木さんの男としての一面に気が付くのは川井さんよりも早かったと思う。
だから彼女の斎木さんに対する感情に嫉妬を感じることは無く、むしろ共感できた。
俺が女だったら俺だって斎木さんに惚れると思う。
寧ろ斎木さんの片腕になりたいという意味で、俺のライバルは川井さんの方だった。
「田嶋、うちは全国展開とは言っても所詮は中堅企業だ。決して大手じゃない。ここで上り詰められないならどこに行っても通用しないと思わないか? 折角やるならそこまでしたいよな」
斎木さんは飲みに行くと熱っぽい瞳で俺や川井さんによくそう言っていた。
斎木さんが仕事が他の人よりできるのは当然だ。
目先の数字や利益を追っているのではない。確実に人よりも上を見て仕事をしていたからだ。目の前の業務に振り回されず高い視野から本質を見ていたあの人に他の社員が敵うわけも無かった。
「俺が上まで行けたらさ、絶対仕事なんてつまらないなんて言えなくなる様な会社にしてやるよ」
そんな斎木さんに、俺は付いていきたいと思うようになっていた。
ただもちろん、人間には長所もあれば短所もある。
斎木さんだって同じだ。
斎木さんの長所はこの野心的で飽くなき向上心。
自分勝手なのに意外と面倒見がいいところ。
そんな斎木さんは当然の様にモテる男だったが、短所は色々あるが……やっぱり一番は女性に誠実では無い所だと思う。
俺は川井さんとは違って男だから、斎木さんの男としての一面に気が付くのは川井さんよりも早かったと思う。