LOVE SICK
「おい川井。今夜飯奢ってやろーか」
「……そのお金と時間をハネムーンで喧嘩をしたとお噂の奥様へのご機嫌取りに使われた方が有意義だと思いますよ?」
「……俺が耐えたから喧嘩にはなってない」
「支店長が? 信じらんない」
そんな彼女が復調したのは案外早く、斎木さんが結婚して一ヶ月くらい経った頃だろうか。
今では彼女は呆れかえった瞳で斎木さんにこんな軽口を言ってのける。
以前の斎木さんに惚れてた川井さんを知ってる俺からしてみれば棘がありすぎるとも思えるけれど、チーフ派ではなく斎木派の一人として今日も順調に業績を伸ばしている。
因みに、川井さんは斎木派だと言われると嫌な顔をするが。
斎木さんは分からないが、どうやら川井さんにとって完全に斎木さんは過去の男になり下がったらしい。
女の恋は上書き保存とはよく言ったものだ。
どうやら川井さんは俺が友人を紹介するまでもなく新しい彼氏ができたらしい。
上手くいっている様でこのところ彼女は絶好調だ。
どうやらプライベートが落ち着いていることで本人も気持ちに余裕があるらしい。
最近の彼女の愚痴の内容は、若いスタッフの女の子たちから休日でも相談の電話がひっきりなしにかかってくることだ。
鬼の川井と特に若い女性スタッフから恐れられ、斎木さんの結婚式当日という最悪なタイミングでスタッフと大喧嘩をやらかし新郎である斎木さん本人に後始末をさせたという武勇伝を作った彼女は、その後その女の子からの信頼も得たらしい。
近頃、話しやすくなったともっぱらの評判だ。
今では鬼の川井は影を潜め、若い子たちからは姉御とか姉さんとか呼ばれてる。
因みに男の恋は別名保存。斎木さんの保存ファイルにはしっかりと川井るうの名前が保存されているのだろう。
俺が川井さんに新しい彼氏ができたことに気が付いたのは、絶好調の川井さんに対して斎木さんは非常に面白く無さそうだからだ。
ちょっかいをかけては簡単にあしらわれている。
男と女の距離感は不思議だ。
この二人は別れたのだと思う。
けれど今の方が斎木さんと川井さんは良好な関係であるようにも見えた。
「……そのお金と時間をハネムーンで喧嘩をしたとお噂の奥様へのご機嫌取りに使われた方が有意義だと思いますよ?」
「……俺が耐えたから喧嘩にはなってない」
「支店長が? 信じらんない」
そんな彼女が復調したのは案外早く、斎木さんが結婚して一ヶ月くらい経った頃だろうか。
今では彼女は呆れかえった瞳で斎木さんにこんな軽口を言ってのける。
以前の斎木さんに惚れてた川井さんを知ってる俺からしてみれば棘がありすぎるとも思えるけれど、チーフ派ではなく斎木派の一人として今日も順調に業績を伸ばしている。
因みに、川井さんは斎木派だと言われると嫌な顔をするが。
斎木さんは分からないが、どうやら川井さんにとって完全に斎木さんは過去の男になり下がったらしい。
女の恋は上書き保存とはよく言ったものだ。
どうやら川井さんは俺が友人を紹介するまでもなく新しい彼氏ができたらしい。
上手くいっている様でこのところ彼女は絶好調だ。
どうやらプライベートが落ち着いていることで本人も気持ちに余裕があるらしい。
最近の彼女の愚痴の内容は、若いスタッフの女の子たちから休日でも相談の電話がひっきりなしにかかってくることだ。
鬼の川井と特に若い女性スタッフから恐れられ、斎木さんの結婚式当日という最悪なタイミングでスタッフと大喧嘩をやらかし新郎である斎木さん本人に後始末をさせたという武勇伝を作った彼女は、その後その女の子からの信頼も得たらしい。
近頃、話しやすくなったともっぱらの評判だ。
今では鬼の川井は影を潜め、若い子たちからは姉御とか姉さんとか呼ばれてる。
因みに男の恋は別名保存。斎木さんの保存ファイルにはしっかりと川井るうの名前が保存されているのだろう。
俺が川井さんに新しい彼氏ができたことに気が付いたのは、絶好調の川井さんに対して斎木さんは非常に面白く無さそうだからだ。
ちょっかいをかけては簡単にあしらわれている。
男と女の距離感は不思議だ。
この二人は別れたのだと思う。
けれど今の方が斎木さんと川井さんは良好な関係であるようにも見えた。