LOVE SICK
「なあ田嶋。お前も結婚すれば?」

「はい? なんで墓場発言からそれに繋がりますか?」

「お前、年上の彼女から結婚迫られてるとか言ってただろ」

「仲間増やそうとするの止めてくださいよ」


俺らの会話に川井さんはあからさまにムッとした顔をして、サイテーと呟いた。
未婚の女性の前ではデリカシーに欠ける会話だということは分かってる。
……けれど、セクハラってその一言の為にするんだという事を彼女はまだ気が付いていない。


「大体さ、結婚って制度は男にメリット無いよな。お前の彼女専業主婦希望なんだろ?」

「そうですね……まぁ、正直まだ踏ん切りがつかないっすね。正直仕事辞めたいから結婚したいんじゃないのかとか思っちゃうし」


あれ? なんか俺の話になってきた。

俺の可愛い年上の彼女は因みに三年の付き合いだ。
川井さんを好きかも……とか思ってた時に出会ってすっころんで口説き倒した彼女。
年上だが控えめで俺を立てて甘えてくる可愛い人だ。

ただ、ここ最近結婚を迫られていて悩み中。
友人の結婚式の話とか将来をどう考えているかとか、そういう仄めかしを頻繁にされている。

嫌なわけでは無いけれど、間もなく30代を迎える彼女は結婚を年齢で焦っている風に感じてしまい……
正直、俺じゃなくてもいいんじゃないかと思ってしまうんだ。
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