LOVE SICK
『るう。お前が一番可愛いよ……』

それは、二番目も三番目もいたってこと。

『愛してるよ』

彼がそう言っていた女性は他にも何人もいた。

『るうの傍はホッとする』

全部、嘘だった……


ずっと私は怖がっていた。
彼女の所に帰ってしまうんじゃないかって……
捨てられてしまうんじゃないかって……

だから、何もしようとしなかったんだ。

私は斎木さんに溺れて、公私ともに彼に頼りきりで、人生を丸ごと預けてしまっていた彼に捨てられる恐怖はいつだってあった。

それ位に、依存していた。


愛されてなかったのは、多分、気付こうと思えば気付けた筈だ。


彼は、避妊をした事が一度も無い。
だから私は彼と付き合ってた頃、ピルを飲んでた。

怖かったから。

嫌がられる様な事を、言いたく無かったから……

彼に相談もせずに婦人科に初めて通った。

けれど彼は、私とそんな付き合い方をしていたのに、他の女の子ともそういう付き合い方をしてたんだ。
なんて無責任な人なんだろう……


それなのに愛があると信じきって溺れていた。

本当に、自分のバカさ加減に泣けてきて。

何も言えなかった。
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