LOVE SICK
***
「川井さん。NOCの担当者って女性じゃなかったっけ?」
「え? そうですけど……」
階下に降りれば山内さんが目を輝かして話しかけて来た。
ただでさえ美しい方が目を輝かしていると……なんか眩し過ぎるな……
「すごいいい男がきてたわよ!」
けれど山内さんの発言に私は首を傾げて少し考え込んだ。
「おかしいな……担当者変更なんて聞いてないけど……」
聞き漏らしていただろうか……
首をひねってみるが思い当たらない。
もしかしたら今日は担当者変更の挨拶なのだろうか。
名刺を持っていたっけと持っていた書類ケースを探る。
うん。数枚あるから大丈夫だ。
先に山内さんに教えてもらっておいて良かった。
山内さんは下手をすれば営業よりも人の顔を覚えるのが得意だ。
営業担当ひとりひとりが相手をしているよりもずっと多い会社に来る訪問者の殆どの顔を覚えているみたいだ。
こういう所でとても気が利く人だから、その美貌のみならず信頼されている。
因みに、山内さんはもう30代も半端で実は二児の母だったりもする。
それでも男性社員の羨望の眼差しは耐えず緩む事は無く。
彼女に会いたくてやってくる業者も多い。
仕事も、家庭人としても、更には女としても輝いている女性だ。
山内さんを見ていると『いい女』って年齢じゃないんだなと思わざるを得ない。
こんな彼女を射止めた旦那様を私は見たことはないけれど、噂によるととても素敵でとても優しいらしい。
山内さんは、最低な男に都合良く扱われる私との女力の差をいつだってまざまざと見せつけてくれる。
「川井さん。NOCの担当者って女性じゃなかったっけ?」
「え? そうですけど……」
階下に降りれば山内さんが目を輝かして話しかけて来た。
ただでさえ美しい方が目を輝かしていると……なんか眩し過ぎるな……
「すごいいい男がきてたわよ!」
けれど山内さんの発言に私は首を傾げて少し考え込んだ。
「おかしいな……担当者変更なんて聞いてないけど……」
聞き漏らしていただろうか……
首をひねってみるが思い当たらない。
もしかしたら今日は担当者変更の挨拶なのだろうか。
名刺を持っていたっけと持っていた書類ケースを探る。
うん。数枚あるから大丈夫だ。
先に山内さんに教えてもらっておいて良かった。
山内さんは下手をすれば営業よりも人の顔を覚えるのが得意だ。
営業担当ひとりひとりが相手をしているよりもずっと多い会社に来る訪問者の殆どの顔を覚えているみたいだ。
こういう所でとても気が利く人だから、その美貌のみならず信頼されている。
因みに、山内さんはもう30代も半端で実は二児の母だったりもする。
それでも男性社員の羨望の眼差しは耐えず緩む事は無く。
彼女に会いたくてやってくる業者も多い。
仕事も、家庭人としても、更には女としても輝いている女性だ。
山内さんを見ていると『いい女』って年齢じゃないんだなと思わざるを得ない。
こんな彼女を射止めた旦那様を私は見たことはないけれど、噂によるととても素敵でとても優しいらしい。
山内さんは、最低な男に都合良く扱われる私との女力の差をいつだってまざまざと見せつけてくれる。