桜吹雪~運命~
「もしかして、梅子さんと紅葉さんですか?」
「そうだけど…。
王司さん知っているんですか?」
王司さんはカッとこれ以上ないほど目を見開いた。
「梅子さん…紅葉さん……。
わたくし…いや、俺の事覚えていますか」
ん?
てか王司さん、本当の一人称は俺なんだ。
「わしは知らんな。
紅葉は知っているか?」
「いや、知らないね」
「ご存知のはずです。
俺は、上ノ宮王司です…」
上ノ宮王司?
名字、三神じゃなかったっけ?
「…上ノ宮王司。
おお、よく知っておるぞ」
「懐かしいの」
「覚えておられましたか!」
パァと笑顔になる王司さん。
…知り合い?
なんかあたしだけ、蚊帳の外にいる気がする。