桜吹雪~運命~







「もしかして、梅子さんと紅葉さんですか?」

「そうだけど…。
王司さん知っているんですか?」




王司さんはカッとこれ以上ないほど目を見開いた。




「梅子さん…紅葉さん……。
わたくし…いや、俺の事覚えていますか」




ん?

てか王司さん、本当の一人称は俺なんだ。




「わしは知らんな。
紅葉は知っているか?」

「いや、知らないね」

「ご存知のはずです。
俺は、上ノ宮王司です…」



上ノ宮王司?

名字、三神じゃなかったっけ?




「…上ノ宮王司。
おお、よく知っておるぞ」

「懐かしいの」

「覚えておられましたか!」




パァと笑顔になる王司さん。

…知り合い?

なんかあたしだけ、蚊帳の外にいる気がする。









< 101 / 137 >

この作品をシェア

pagetop