桜吹雪~運命~
第5章
櫻刀
「…それは、櫻刀?」
不思議そうに眺める王司さん。
「そうですけど?」
「…チッ。
まさか櫻刀保持者が小町さんだとはな」
「え?
保持者、あたしじゃないんですけど?」
「櫻刀保持者と闘えるなんて…。
これで…これで…俺は、アイツの上を行ける!」
あたしの意見を無視し、王司さんは飛び上がる。
「きっ、
きゃあああああああっ!!」
あたしはドッジボールでボールを避けるように、刀を避けた。
避けられたことに、安堵する。
だが、再び王司さんは襲ってくる。
こ、今度は避けられないっ。
あたしは咄嗟に目を瞑った。
「小町!」
「ばぁちゃん!?」
目の前に、ばぁちゃんがいる。
ばぁちゃんの持つ刀によって、王司さんの刀が行き場をなくし、止まっている。