桜吹雪~運命~
この名にかけて
「王政様!?」
「どちらへ行かれるんですか!」
「王政様!!」
遠矢くんが通るだけで、誰もが道を開け、頭を下げる。
…改めて、遠矢くんが三神王政だと知らされる。
「外に出てください」
「王政様!」
目の前に立つ男の人。
頭を下げる男たちとは格が違うんだと、あたしでもわかる。
「…上ノ宮さん」
「どういう意味ですか?」
「上ノ宮さん。
あなたにはお世話になりました。
…僕、ようやく決心がついたんです」
「決心…?」
「それを外で話します。
家の中にいる者を、全てあの場所へ」
「…か、かしこまりました」
あの場所…?
あたしは首を傾げる。
「小町さん、心配は無用です。
僕に、ついてきてください」
…こういう台詞は、イケメンだから良いのかもしれない。
あたしは1人でドキドキした。