桜吹雪~運命~








やがて着いた場所は。




「広っ!」




大きな三神家の中央にあるらしい、広すぎる広場。

そこには、大勢の三神家に仕える人たちがいた。

最前列には、ばぁちゃん・紅葉さん。

…それに、王司さんもいる。

王司さんの横には、王司さんと顔立ちの似ている、イケメン4人組。

王司さんの4人のお兄さんだと、遠矢くんが教えてくれた。

…三神家って、兄弟多いんだね……。





遠矢くんは、あたしの手を握り、広場にある舞台の上に、上る。

高さは結構あり、何事だと疑問を浮かべる人たちが良く見える。





「…お集まりいただき、ありがとうございます」




遠矢くんはマイクもなしに、声を張り上げる。

それなのに、滑舌が良いお蔭で良く通る。




「僕は、99代目当主の遺言書通り、100代目三神王政の座を引き継ぎました」




王司さんが顔をしかめる。

王司さんにとっては、今でも辛い過去として、残っているんだもんね。






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