桜吹雪~運命~
「三神家は100代も続く名家です。
ですが、その名家は、誰からも嫌われています。
折角の名家なのですから、もっと人に誇れる名家にしたいと、僕は思います。
無茶苦茶なことを言っているのはわかっています。
ですが、もう僕は人が哀しみ、涙する姿を見たくない。
人が人を失う苦しさを、味わってほしくない。
文句がある人は来てください。
…僕が、相手になります」
スッ…と遠矢くんは鞘から剣を取り出す。
その凛々しい姿に、誰もが驚く。
遠矢くんは、天才剣士。
向かう所敵なし。
遠矢くんは、
―――100代目、三神王政だ。
「…ハハッ」
静まる中聞こえた笑い声。
笑い主は、王司さんだ。