桜吹雪~運命~








「驚きましたね…。
まさか遠矢が言うなんて」

「兄上…?」




王司さんは笑うのを止め、ふっと微笑む。




「俺はずっと、遠矢を恨んでいた。
後から来たくせに、何で三神王政を継ぐんだと」




遠矢くんが悔しそうに俯く。





「嫉妬したし、恨んだ。
その原因は、三神家にあったんだな。
三神家が、殺しを当たり前とし、人を恨む村を作ったせいだ。
三神家がなければ、俺が遠矢に嫉妬することもなかった」




王司さんの言うことに、隣にいた王司さんのお兄さん4人がギャアギャア言いだす。




「良いのかよ王司!」

「三神家がなくなるんだぞ?」

「それで良いのかよ!」

「ここでアイツを殺せば、お前王になれるぞ?」




…お兄さんたち皆、王司さんの味方なんだ。





「うるさ―――――――ッい!!」








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