桜吹雪~運命~
帰る方法
「梅子さん」
「ばぁちゃんで良いさ」
「ばぁちゃん、タイムスリップ信じますか?」
「たいむすりっぷ?」
あー…。
「過去へ行ってしまうことです」
「過去!
ほぉー、隣村は発展しとるとは思っておったが、そんなことまで出来るようになったのか!」
…どうやらあたしはばぁちゃんに、“隣村から逃げてきた、名前だけ可愛い少女”と思われているらしい。
隣村つーか、あたしは未来から来たんだけど…。
「いや、出来ませんよ」
現代でも出来ないんですから。
「もしも行けたとしたら、ばぁちゃんは信じますか?」
「…過去、行けたら良いねぇ」
…ばぁちゃんはボケているのか?
しみじみ、懐かしそうな顔をして、ばぁちゃんは言う。
ばぁちゃん、過去に行きたいのかな…?
「ばぁちゃん。
あたし、平成って所から来たんです」
「ヘイセイ…?」
「信じられない話かもしれないんですけど。
あたしの、ひいひいばあちゃんの名前は、野桜梅子です」
ばぁちゃんは驚いていた。