桜吹雪~運命~
遠矢くんはネックレスを、あたしの首にかけた。
「小町さんが自分の世界に戻ってしまったとしても、僕は小町さんを忘れません。
だから…小町さんも僕のことを覚えていてください」
「勿論だよっ…!」
「…似合うよ、小町」
呼び捨てっ…。
あたしはそれに、ますます涙した。
遠矢くんは、ギュッとあたしを抱きしめる。
あたしは遠矢くんの腕の中で泣いた。
覚えていたい。
このぬくもりも、優しさも、笑顔も。
遠矢くんと過ごした、優しさにあふれた日々を。
「小町さんっ…」
「!?」
あたしの首にある、ネックレスが輝き始める。
「…幸セ、受ケ取ッタリ」
いつかと同じ、
優しい声が響いた――――――……。