桜吹雪~運命~
プロローグ
「…か…ですか…」
上から、声がする。
「大丈夫ですか…」
あたしはゆっくり、重たい瞼を開けた。
あたしを見つめる、綺麗な瞳。
「……」
「大丈夫ですか?」
揺らめいていた声の主の顔が、徐々にハッキリしてくる。
「……ッ!?」
「良かった、気が付いて…」
安心したような声を出す男の子は、イケメンだった。
綺麗な黒髪に、宝石のように輝く二重の瞳。
顔立ちは整っている。
「遠矢…くん……?」