桜吹雪~運命~
生きて行くためには
次の日。
あたしはばぁちゃんの畑で悲鳴を上げていた。
「ばぁちゃん!休んでも良い?」
「何言うとるんじゃあ!
ちゃんと働けぇ!
働かざる者食うべからずじゃあ!」
「ばぁちゃんの鬼ィ~」
あたしはすっかり痛くなった腰を叩きながら言った。
もうばぁちゃんの仲間入りだよ…。
あたしはばぁちゃんの家にただで住ませるわけにはいかないので。
ばぁちゃんの畑で働くことになった。
しかし、この畑が大変。
村唯一のお米畑らしく、敷地が広すぎる。
その上お米は腰を曲げての作業のため、腰が痛くてたまらない。
「大丈夫かァ小町」
「腰曲げての作業なんてしたくないので…。
でも、大丈夫です紅葉(もみじ)さん」
さすがにばぁちゃん1人でお米畑をやってはいなくて。
ばぁちゃんの知り合いの秋川(あきかわ)紅葉さんも手伝っていた。
この紅葉さんが、昨日ばぁちゃんの話していた、三神家の被害者。
ばぁちゃんの幼馴染らしくて、紅葉さんが息子を殺されたことを聞き、ばぁちゃんから一緒に逃げよう誘ったんだって。
紅葉さんは早くに旦那さんを亡くして、息子さんと2人暮らし。
大事な息子さんを殺され、紅葉さんはかなり落ち込んだそう。
それを見たばぁちゃんが、一緒に逃げて、新しい所で楽しもうと言ってくれたんだって。
ばぁちゃん、凄いなぁ…。