桜吹雪~運命~






あたしが腰を叩いているのを見た紅葉さんは、ばぁちゃんめがけて叫んだ。




「梅子やァ!
小町は初心者、長時間働かせるのは大変じゃぁ。
だから、暫く休ませてあげても良いんじゃねェかァ?」

「働かざる者食うべからずじゃァ!」




紅葉さんの天使のお言葉を跳ね返すばぁちゃん。

紅葉さんは苦笑いした。




「あれが梅子の口癖なんだよなァ」

「よく言ってますもんね」

「しょうがない、小町。
我慢してやりなさい。
暫く続けたら慣れるから」

「はぁ~い」




あたしは仕方なく、畑作業を再開する。

大変だし腰も痛いけど、ばぁちゃんの言うことは正しいから。

ご飯が食べれなくなるのも困るし。

あたし、食べること大好きだからね!





ばぁちゃんは厳しいけど、ご飯は美味しい。

紅葉さんはどこから現れたかもわからないあたしに優しくしてくれる。

紅葉さん以外の村人さんも、あたしを見かけたら声をかけてくれる。

それはそれで楽しい毎日なんだけど…。




やっぱり現代が心配だ。

あたしの捜索願は出ているんだろうか?

お父さんお母さん、お姉ちゃんは元気だろうか?



それに…。



初恋の男の子は、桜広場に現れただろうか…?







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