桜吹雪~運命~
「小町ィ」
「何ばぁちゃん」
遠くで働いていたはずのばぁちゃんが、あたしの傍に来た。
手には、今では見ない笹の葉を持っている。
笹の葉は、真ん中あたりが膨らんでいた。
「食え」
「え?」
「休んで良いぞ」
「良いの?」
「あとは紅葉と2人で出来るからなァ」
「そう?」
「これ、昼飯。
握りの中身は、梅干し」
「ありがと!
じゃあ、一足先に休ませてもらうね」
「おぅ」
ばぁちゃんと紅葉さんに向けてウインクし、あたしは畑を抜け出した。
どこでご飯食べようかなァ?
家で食べるのも良いけど、今日は快晴。
外でピクニック気分で食べるのも良いかもしれない。
どこか良い場所ないかな?
あたしは畑の周りをウロウロした。