桜吹雪~運命~
第2章

不思議な少年








彼と出会ったのは、その日から2日後のことだった。





今日もあたしは、ばぁちゃんの“働かざる者食うべからず”をモットーにしながら、食べるため働いていた。

最初はキツかった仕事だけど、だいぶ慣れてきた。

そして、現代に戻れたらもっと運動をしようと決めた。




元を辿れば、あたしが疲れていた理由は、あたしの運動不足。

部活なんてはいっていない、いわゆる帰宅部だし、授業の体育もテキトーにこなしているだけ。

そのため先生に「サボるなっ!」と叱られることも多い。

でもあたしは気にせず、ゆるゆるしていた。




でも、昔の人は機械なんてないからか、凄く元気に働いている。

ばぁちゃんもいくつだか知らないけど、あたしより体力あるのは確実だ。

紅葉さんも、ばぁちゃんと一緒にバリバリ、キャリアウーマンのように働いている。

あたしの方が若いのに…何だかショックだ。





「小町ィ」

「なぁにばぁちゃん」

「休んで来い」



それなのにあたしは、食い意地だけは人一倍で。

ばぁちゃんからの笹の葉に包まれたおにぎりを、今日ももらう。



行く場所は勿論、立派過ぎる桜の木の下。

毎日毎日、あたしは桜の木の下でお弁当を食べている。







< 20 / 137 >

この作品をシェア

pagetop