桜吹雪~運命~
「んじゃ、わしらは仕事の続きしてくるから。
こやつのことは、小町に任せたぞ」
ばぁちゃんと紅葉さんは、仕事へ戻る。
あたしは1人、男の子を見た。
あたしの傍には、ばぁちゃんの作ったおにぎりが1つ。
2つ中1つはあたしが食べてしまったけど、残りは男の子にあげようと思い残しておいたんだ。
フラフラで歩いていた所を見ると、きっとお腹が空いていると思うから。
にしても、かっこいいなぁ。
綺麗な黒髪に、二重の瞳。
顔立ちは整っていて、凄くイケメン。
多分クラスにいたら、女子たちキャーキャー言うんだろうなぁ。
「…んっ」
あれ?起きた?
男の子はそっと、瞼を開く。
綺麗な黒目が辺りを見渡し、あたしを捉えた。
…本当、宝石みたいに綺麗な瞳。
「……?」
「大丈夫ですか?」
「…大丈夫、です」
…大丈夫そうには見えないなぁ。
顔も少ししかめっ面だし。