桜吹雪~運命~
楽しい日々
次の日。
あたしは遠矢くんの食費も稼ぐため、ますます田んぼ仕事を頑張った。
あたしの変わりように、紅葉さんも驚いていた。
「小町さん。
毎日僕のために…ありがとうございます」
「気にしないで遠矢くん。
あたし、自分が好きでやっているからさ」
前のあたしじゃ信じられないけどね。
“自分のことは自分でやる”と言う、自分なりのルールを作っていたから。
そのルールは、自分だけのためにあるのではなかった。
ルールを守るのは、他人も同じ。
だから、誰かのために働くなんてこと、あり得なかった。
友達が見たら、驚くんだろうなぁ。
こういう性格のあたしだけど。
一応友達はいたんだ。
まぁ、その子を信じられたかは別だけどね。
その友達―――ルカは本当変わり者で。
サバサバしていて、どこか毒舌のあたしを気に入りくっついてくる、いわばお伴って感じだったんだ。
あたしが自ら一緒にいたわけじゃなかった。
まぁ…今は、もっと一緒にいればって後悔しているけどね。